2021年に見た展覧会メモ

行動範囲は関西圏です

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◇ 分離派建築会100年展(京都国立近代美術館

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東京会場からの巡回。建築はYoutubeで技術解説動画を見る程度に好きで、まあ軽いノリで行きました。

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(撮影可能エリア)

入館したら《我々は起つ》に囲まれたので「こわ・・・」と思わず引き返しそうになりました。大丈夫でした、とても興味深い展示でした。我々は起つ・・・の意味を知ると、時代背景を感じ取れました。力強い宣言です。令和の時代にもこの力強さと気骨がほしい。

どの作品も先進的で尖っていて、明治大正のインテリ層の、あの意気揚々としつつも影のあるこじらせ感の強い、独特の気風が反映された『建築』、というジャンルなのでしょうか。特に石本喜久治の「納骨堂」がよかったです。あと山田守による設計の「御茶ノ水の聖橋」の写真が良くて見入った(検索してみてほしい)。

 

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(撮影可能エリア)

映えるやつもあった。

 

あと、4階のコレクションギャラリーに三島喜美代さんが出展されていてラッキーでした。

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(撮影可能エリア)

マジで近くで見ても陶器って分かんなかった。ほんとすごい。三島さん今をときめく森美でも展示されてましたね。人気の高さに納得。

 

余談ですが会場の京都近美はピカ一で推しです!企画展は毎回ボリュームがすごいし、とにかく収蔵品のレベルが高い。会場内の雰囲気やスタッフさんとかが良い意味でややラフな感じも個人的に合います。

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会場にお越しの際は1階のカフェでカルボナーラを試してください

 

 

◇ コシノヒロコ展 EX・VISION TO THE FUTURE(兵庫県立美術館

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最終日に行ったら日時予約制なのにすっっごい混雑してた。日時予約制とは・・・。

服を見るの大好きなのでメチャ楽しかった。生地、パターン、装飾、マネキンの指先にまで、すべてにパワーが漲っている・・・。ヒロコの服、見ていて、すごく前向きな気持ちになる。着れませんけども。ファッションの力ってこういうことを言うんだろうな。展示品全て撮影OKの大盤振る舞いでした。

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巨大ヒロコちゃんマネキンのインパク

 

◇ 特別展「京都文化プロジェクト 誓願寺門前図屏風 修理完了記念 花ひらく町衆文化-近世京都のすがた」(京都文化博物館

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招待券で見た。真面目で硬派な展示。《洛中洛外図屏風》と同じ人が描いた《誓願寺門前図屏風》を初めて見ました。江戸時代は面白くて好きだし、”地図”という人類の発明が大好きなので当時の詳細な古地図なんかも見れて収穫があった。京都の寺社の多さは天皇や貴族の存在がバリバリ影響してるんだな・・・当たり前ですが・・・。

で、同時開催の戦時中の京都画壇を紹介する企画展の雰囲気が重かった。戦争色の濃さにのまれる感じ・・・でもこういった企画は本当に大事ですね。今流行り(?)の小早川秋聲の絵も数点見れた。他に常設エリアでは丸紅商社の着物コレクションをやっていた。大手町の丸紅ギャラリー、行ってみたい。

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ここの建物は我らが辰野金吾の設計だし有形登録文化財だし散策するだけでも楽しい。数年前のクリスマスに、こちらのホールで平井真美子さんのピアノコンサートを聴いたんですけど、それがもうあまりにも素晴らしい演奏で、感動してちょっと泣いちゃった・・・という思い出があります。

 

◇ ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし(泉屋博古館

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招待券で見た。初めて行った美術館 感染症のせいで1年延期の末の開催だそうです。ワンフロアの会場ながら展示に工夫があって、コンパクトにまとまっていて見やすかった。広くない会場ながらもかなり盛況で、人混みを避けつつ鑑賞するのに苦労しました。展示品にあの鏑木清方がデザインした浴衣があった。あと、型染の技術がすごかった! 繊細にもほどがある

 

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(画像はお借りしました)

展示品のひとつの、海の生き物柄の浴衣がユニークだった。インパクトやば。いいですね。

 

 

◇ フランソワ・ポンポン展 動物を愛した彫刻家(京都市京セラ美術館)

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(撮影可能エリア)

京セラ美、行くタイミングがなかったから行きたかったんだよね~~って意気込んで行ったんですけど、会場の使い方(大型企画4つ同時開催)がぶっちゃけ馴染めなくて入り込めなかった。すみません・・・。なんかこう、めっちゃ限られたスペースで、展示数とか空間の使い方?みたいなもののボリュームがあんまりで、う~ん・・・っていう。ネット上では好意的な感想ばかり見かけるのにおかしいな・・・ ひねくれてるから、京セラはん儲かってまんな~とか思っちゃった。ほんまごめん。

ポンポン展は2022年も引き続き巡回してるのですね。ポンポン氏の作品は高い完成度+親しみやすい動物モチーフで日本でも抜群に受けそうな印象です。どれもこれもが優しくてかわいかった。何度、触りたい~~~と思ったか・・・

 

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(撮影可能エリア)

やさしい かわいい

 

で、有名な巨大シロクマの彫刻はオルセー美術館で見てね、って現物の引き延ばした写真を代わりに展示してたのがすごいシュールだった。オルセー行きてえ。

群馬の美術館の収蔵品が多かったけど何か作者とゆかりがあるのでしょうか。

 

 

◇ 美術館に行こう!ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方(明石市立文化博物館)

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ディック・ブルーナの作品は至高、ミッフィーは永遠

ただ今回の展示は「親子で楽しむ」というコンセプトの割には子ども向けを意識しているのか大人向けにフォーカスしているのか、展示品や解説がやや中途半端になっている印象を受けました・・・。

ここは常設展が頑張っていて郷土資料がじっくり見られます。みんな大好きアカシゾウの標本(撮影可能エリア)。

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◇ 伊能忠敬 伊能図上呈200年記念特別展(神戸市立博物館)

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2021年マイベスト展覧会はコレです!!!!! 生で見る伊能図、マジでやばかった。地図好きにはたまらない、鑑賞中に鼻血出るかと思った。コレ教科書に載ってるやつじゃん!?、と感無量でした。日本地図の完成度マジ半端ないんですよ、すごすぎ。当時の測量技術どうなってんの?バグってない?ていうか一日で移動する速度めっちゃ早いしどうなってんの?バイク使った??みたいな・・・。昔の人々の足腰一体どうなってるんですかね。

忠敬愛用の測量グッズも展示してあって、保存状態完璧で、感謝しかない。残してくれた関係各位マジでありがとうございます。感謝。

作品数も内容も解説も圧巻で最高でした。都合つかなくて前期の展示が見れなかったのが心残りです。また見たいなINOH TADATAKAの偉業。

 

 

◇ ウィリアムモリス 原風景でたどるデザインの軌跡(奈良県立美術館)

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解説不要のモリス。何度見てもよい。苺泥棒は世界を救う。

こちらの会場の建物なのですが・・・ かなり年期入っておられて、今回のデザイン性の高い作品群とややミスマッチな感じが個人的に否めなくって、双方にとってこれは惜しいな・・・という印象を受けました。以前、モリス展を大山崎山荘美術館で見たときは作品とレトロな建物の質感が超マッチしていて、めちゃくちゃ良かったんだけど。会場も作品を構成するパーツのひとつなんだなあと感じた次第です。建物をdisってるわけじゃないですすみません。

『原風景でたどる』というタイトルの通りモリスゆかりのイギリスの地方の農村と、そこからインスピレーションを得た作品を展示というのは分かりやすく見応えがありました。モリスはよきです。

 

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現代アート 《 鹿 》

 

 

◇ Viva Video! 久保田成子展(国立国際美術館

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招待券で見た。恥ずかしながら作家を存じ上げなかったんですが、エネルギッシュ!アヴァンギャルド!!みたいな圧がすごかった。芸術家の鑑みたいな印象。オノ・ヨーコ氏との交流が紹介されていて納得しかなかった。ただ晩年の、旦那さんの介護etc のエピソードを読んで作品とは別の側面を垣間見た気になった。《スケート選手》という作品がよかった。

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(画像はお借りしました)

最近、国立国際美のサイト見たらキュレーターの方がこの企画とカタログ中の論文が評価されて美術奨励賞を受賞されたってニュースが載っていて、図録見とけば良かったなーってちょっと思いました・・・。

 

◇ 「CLT 未来をつくる木のイノベーション」(竹中大工道具館

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新神戸駅周辺のさびれ具合はいつ来ても心配になりますが数年後に再開発するようなので期待しています(いきなり都市計画)。しかしなぜ新神戸・・・?立地が謎。

 

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「CLT」という最先端の木造技術に関連した展覧会をやっていて、工夫を凝らしたシャレた椅子作品が展示されていました。木、とてもよい。

 

ここは常設展がメチャメチャ濃い!知らない道具や技術だらけで勉強になります。館内写真撮影可だし天井は高いし。

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斧の動詞は”斫る”(初めて見た日本語)

 

これ凄くないですか?

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先に瓶に穴を開けて矢を通してから瓶の中を液体で満たすそうです。凄いね。

 

ケルトン茶室模型とかもある

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他にも大量の古今東西の大工道具があって、全部をじっくり見て回ろうと思ったらかなり時間かかった。ユニークな博物館で楽しめます。

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この人たち封神演義で見たことある

 

 

◇ ボローニャ国際絵本原画展(西宮市立大谷記念美術館)

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毎年欠かさず見に行っている絵本原画展、2020年は感染症のせいで関西での開催が中止になってとても悲しかった・・・。いつかボローニャまで原画展を見に行くぞと思って学生時代は第二外国語でイタリア語を選択しましたが結局チャオ!しか喋れません。とにかく今年は展示を見ることが出来てよかったです。

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数年ごとに審査員が変わることもあって、毎年入選作品のカラーが違うので見るのが楽しい。世界で内戦が多かった年は戦争をテーマにしたモノクロの作風が多かったり・・・。今年は明るい色使いの絵本が多めの印象でしたが、やはりコロナが多かれ少なかれ影響しているのでしょうか。

 

 

◇ 明石藩の世界Ⅸ-幕末維新と人々のくらし- (明石市立文化博物館)

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事前に貰ったチラシに「新撰組日誌」と書かれた資料が大きく載っていたので、無知な私は期待して行ったんですよ、そしたら幕末期に明石藩が独自に編成した新撰組という名の組織のことでした。会津藩御預の方じゃなかった。明石藩そんなのやってたんだ・・・っていう。斎藤一、何の関係もなかった。無知が招いたがっかり、勝手にがっかりして本当にすみません。展示内容はローカルな"幕末"に特化していて、藩内の動きや取り組みなど知らないことだらけで勉強になりました。”明石藩の”新撰組・・・覚えました。

 

◇ 金魚絵師 深堀隆介 金魚鉢、地球鉢(神戸ファッション美術館

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人気の金魚絵師さん。アレが”絵”ってすごいですよね。鑑賞中は「えっ、すご・・・」としか言ってなかった。有名な酒枡の作品から大型の作品まで多様なバリエーションで見応えがありました。

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(撮影可能エリア)

 

 

◇ 和巧絶佳展 令和時代の超工芸(アサヒビール大山崎山荘美術館

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 (写真撮るの下手すぎ問題)

1970年以降生まれの12名の作家の作品展。東京からの巡回。

これ、まじですっっごく良かったです!! どれもこれもが超一級品でレベル高くて何時間でも鑑賞できる感じでした。ちょうどこの1週間前に見た金魚絵師さんの作品をこちらでも見ることができました。

展示は靴、螺鈿、陶、金工、鋳造と、工芸のジャンルにとらわれない非常に幅広い内容で、いや~~~~とても良かった。入場料、本当にこの価格でいいのか? もっと上げても全然いいと思う・・・。

個人的に、池田晃将さん、新里明士さん、佐合道子さんの作品に特にびびっときて見入りました。メディアにも多数取り上げられているのでまだ見たことない方は是非ググってみてください。全国巡回中みたいなので該当地域の方は現地に見に行ってほしい。

 

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ショップで山本茜さんのブックマーカーをゲットしました。すてき

 

 

余談で、併設の喫茶室では展示企画に合わせたリーガロイヤルホテル京都のデザートが出されていて、この時は"和"のスイーツだった。

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テラスからの眺めもよきです 乙訓郡の自然ゆたかな風景

 

 

 

それで、すごくよかったこの展覧会に対して決してケチつけるわけじゃないのですがどうしても言いたいので書きます。この京都会場のポスターのビジュアル?デザイン?、すみません、ちょっと、いまいち、イケてないような…

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(画像はお借りしました)

何となく物足りなさを感じてしまいます・・・。館鼻さんのレディー・ガガ用シューズに対して言ってるのではなく(ヒールレスシューズ、もの凄い高クオリティでした)、実際の作品群があれだけ素晴らしいのに、ポスターを一瞥しただけではそのすごさが、あまり伝わらないような… 伝わらないって、それは広報としてちょっとよろしくないのでは…?みたいな…。素晴らしい展示だっただけに勿体ないなと個人的に感じてしまいました(余計なお世話すぎる)

 

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大山崎山荘美術館、いつ来ても最高のロケーション。常設でモネの《睡蓮》も見られます。

 

 

◇ 喜多俊之展 TIMELESS FUTURE(西宮市大谷記念美術館)

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長年プロダクトデザインの第一線で活躍されてる方なんですね。どれも無駄のない洗練されたかっこよく優れたデザイン。人が多くて撮れなかったけど椅子に座りたい放題の展示がおもしろかった。会議室向けのパイプ椅子とか、丸太1本使った椅子とか、ヘアーサロン用の椅子とか。

 

撮影可能エリアで撮ったもの

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公共の椅子がどこもこんなのならテンション上がるのにな

 

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介護用ロボット 親しみやすい可愛らしいデザインはさすが

 

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"プロの仕事"を見ました。

 

 

◇ 幻の天才画家 鈴木華邨展 甦る花鳥風月の世界(逸翁美術館

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後期の展示を見た。30年ぶりの一挙公開とか聞いたら行くしかないやつ 当時は国内だけでなく海外でも評価されていたのに、今では忘れ去られた存在の画家・・・って解説文に諸行無常を感じた。繊細なタッチと色づかいだけど、鳥の描き方?デッサン?が割と独特だな~と思った。鶴を真正面から描いた絵、見たことない構図でかなり面白かったな。岡倉天心がべた褒めしたという牡丹と猫の絵が綺麗で、お土産にポストカードでも買おうと思ったらその絵だけ売り切れてて残念だった。

また蛇足ですが、この展覧会のポスター、薄緑?浅葱色?を基調としていて華やかな仕上がりだけど、ご本人の画風はパステルと程遠い白・茶・墨の色が多かったので、ポスターも堅実なものの方がより合ってたんじゃないかなあなどと鑑賞後に大変余計なことを思ったりしました。

すぐ近くにある小林一三記念館も初めて行きましたおもしろかった。阪急電車ファンがよろこぶ感じの内装だった。帰りに付近の電柱見てたら町名が書いてるプレートのやつ(呼称が分かりません・・・)があの近辺だけ阪急のマルーンカラーだった。池田市、小林一族の恩恵どれだけ受けてるんですかね

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◇ 国立工芸館石川移転開館1周年記念展《十二の鷹》と明治の工芸(国立工芸館)

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去年皇居のほとりから金沢市に移転した工芸館 引っ越し作業時の映像が流れてて、とにかくめちゃめちゃ大変そうだった

館内は全作品撮影可能で、特にいいなあと思った作品

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明治時代に輸出品として作られた飾り壺 芸術!って感じでめっちゃ好き。でもゴテゴテしてるなんてネガティブ評価もあると知って驚きです。こんなに美しいのに!? 欧米のジャポニズムブームの先駆けですよ。当時の最先端の意匠が凝らされていて素晴らしい完成度だと思います。多くのものは今でも海外にあるんでしょうかね。

 

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ガレとかバーナード・リーチとか魯山人の作品もあった

 

企画の目玉は鈴木長吉の《十二の鷹》で、その展示の方法がちょっと独特で、むき出しで十二体並べてあっておもしろかった。

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これらの鷹は日本の「美術」を世界に見せたるぞ、と1893年のシカゴ万博に出展されたそうです。非常にワンダホーな作品でした。

余談だけど、ショップコーナーにいたらなんか関係者らしき方がスタッフに「2階の鷹の展示どうなってるの?」って訊かれていて「全部ケースに入らなかったんですよ」って(ケースに入らないとかあるんだ・・・)。「あんな展示だとちゃんと見れなくない?びっくりしたわ」みたいな苦言を呈してらしたのを、間近で聞かされてしまった。すまんそういうの一般客のいないところで話してくれ・・・と思った。とても興味深く見れていたので何だか思わぬ所で水を差されてしまったような。

京都の『和巧絶佳』で見た池田さんの作品が展示されてました。思わぬ展示だったから嬉しい 撮影可だったので拡大鏡越しに撮らせて貰いました。

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大人気の螺鈿細工作品 めっちゃ素敵

 

◇ 写真家ドアノー/音楽/パリ(美術館「えき」KYOTO)

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クリスマス前だったから(?)入口にツリーがあった。

フランスの国民的写真家 あまり存知ないのですが・・・ 活き活きとした場面の切り取りという感じがとても上手だった。シャンソンやジャズが流れるパリの街並み・・・という映画や舞台でしか知り得ないような華やかな風景が市民の現実の日常として(当たり前だけど)あったんだなぁと興味深かった。《パリ市庁舎前のキス》が近年裁判沙汰になっていたのは後から知ったけど展示されてなかった気がする。見たかった。

面白いなと思ったのが《エリック・サティの家》という写真 「エリック・サティは物静かで人目を大変気にする人で、自宅を知られたくなく、タクシーで帰宅しても2,3km離れた所で降りて歩いて帰っていた」みたいなキャプションで、いやそんな徹底して人目を気にしてる有名人の家の写真撮ってそれを作品にしていいんだ!? ってちょっと面白かった。それだけ親交が深かったということなのかな。《エリック・サティの家》のポストカード買いました。

 

◇ 限らない世界 村上三郎(芦屋市立美術博物館)

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招待券で見た。京阪神は具体美術の展示が多い。

《紙破り》のパフォーマンスの記録映像が面白かった。ただ奇抜なだけじゃなくてしっかりとした”作品”になっていたのは見事だなと思った。紙破り、してみたい。あと駆け出しの頃に白髪一雄と二人展やってて、へえ~ってなった。阪神間で児童の美術教育にも大変貢献されていて好感度だだ上がりしました。芦屋市立美術博物館の公式Twitterで作品の丁寧な解説や動画を上げておられます。

特に面白いと思ったのは、来場者に名前を書かせる→作者がその場で速攻で名前に線を引いて消していく、という展覧会の記録。「アイデンティティーとは何か?を考えさせる展覧会を行った」みたいなキャプションだった。え~・・・何なんだろう、アイデンティティーって・・・。これは作者が哲学専攻っていう経歴も活かされてる(?)のでしょう・・・。展覧会タイトルの『限らない世界』は「限りない世界 → 限らない世界」という作者のメモから取られていた。

外の展示品は撮影可&体験可だったので入りました。

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中はこんな感じ。

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鑑賞者がこの作品を完成させる・・・みたいな解説が書かれてあった気がする(うろ覚え)。穴から風景を見て写真撮ってのそのそ這い出るタイミングで犬の散歩中の人と目が合って(建物のすぐそばが歩道)、「いや私は作品を完成させていたんです」的なオーラを出してみたんだけど通りがかりの人が見たら謎の不法行為してるみたいだよな。美術館に行くと自意識の波に溺れて虎になりそう。パピヨン本田の美術のトラちゃんじゃん。

 

◆ 2021年見たかった展覧会

「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」

「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」

特にロニ・ホーン めちゃめちゃ評判良いから気になる 関西にも巡回して欲しい