2022年に見た展覧会メモ

素人の感想 行動範囲は関西圏です

 

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◇ 上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー京都国立近代美術館

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告知のポスターが可愛いらしい感じで気になったので見た。オシャレで独創的な作風。天使のイラスト?が特によかったです。

作品数の都合かそういう構成なのか、リチ氏の作品よりもウィーン工房のテキスタイルなどが展示の半分ぐらいを占めてた。リチ夫妻は日本に専門学校まで作ってて、ハイソな夫婦っょ・・・ってなった。

 

◇ メトロポリタン美術館展(大阪市立美術館

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METコレクション たぶん今年の関西地方の目玉展覧会のひとつかなと思って行きました。開館と同時に行ったらなんとか落ち着いて見れた。激混みだったけど。《女占い師》めちゃめちゃいい!実物ほんと美しかった。あと、ターナーが最高だった。ターナーは今まで印象派展とかで展示があってもさら~っと見てたけど今回ので見る目が変わりました。めちゃめちゃ良い(今更)。今年はターナー推しでいきます。推す必要がないレベルの巨匠を推す。METステッカーと巾着をゲットしました。

 

◇ 企画展「受贈記念 柳原睦夫 花喰ノ器」(大阪市立東洋陶磁美術館

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イチオシの美術館。企画展の”ハズレ”がない気がする・・・。館内撮影可です。

柳原睦夫さんの花器がありました。派手!他にあまり見ないデザインと色づかい。

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華道家の杉田一弥さんが活けた花とのコラボ作品

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花器が花に負けてない、花も花器に負けてない。強い・・・。

 

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さりげなく油滴天目が展示してあってやばい。収蔵品のレベル高すぎるのにあまり人がいなくてもっと賑わってほしい。23年秋まで改修工事中なのでリニューアル後はバンバン広報してほしい(謎目線)

 

◇ 須田剋太×白髪一雄 二人の曼陀羅」展 (尼崎市総合文化センター

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ワンフロアの会場ながら展示数も割と多くてテーマ毎の展示とキャプションが初心者にも見やすかった。写真撮影可でした。

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すげえこと言ってる

 

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味のある司馬先生!!

 

◇ 能面100 The Art of the Noh Mask(美術館「えき」KYOTO)

個人的2022ベスト展覧会です!ってぐらいめちゃくちゃよかった。期間中どこかで話題になってたのかな・・・。一度に100個(個?)の能面見れる機会そうそうないですよ。もし東京の森美なんかでやった日には話題かっさらったと思う。内容も充実してたしキャプションも分かりやすかったし、地方だけじゃ勿体ない・・・。

 

◇ 特別展「オホーツク文化―あなたの知らない古代―」(大阪府立近つ飛鳥博物館)

横浜からの巡回展 オホーツク文化、恥ずかしながら本当に何にも知らなかったので勉強します・・・

 

館内にあった地質クイズ 任せて^^

 

以前リポビタンのCMを撮影したらしい。キムタク氏マジでこんな僻地に来たのか・・・?と思いながらちゃんとコンビニで買って行ったミーハー

 

◇ 特別展 「光の芸術家 ゆるかわふうの世界 ~宇宙(そら)の記憶~」(神戸ファッション美術館

世界初の光掘りという技法で描かれた作品、スタイロフォームという素材に凸凹をつけてLED照明を照らして光の陰影で表現しているらしい。へーっ。

これ、にこるんっぽいなって思ったら本当ににこるんをモデルにしていた。

 

◇ 特別展 海を渡った版画家たち~平塚運一と神原 浩~(神戸ゆかりの美術館)

思ったよりも展示数が多かった~。作品が版画と銅版だからか落ち着いた雰囲気で見れた。神原氏が関学にゆかりあるからか当時の関学関係の展示もあったかな。

 

◇ ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展(兵庫県立美術館

なんかミイラって数年ごと無性に見たくなりません?いや数年ごとに見られる環境がありがたいって話ですけど。同時期に関西にエジプト展が2つ来てて深く考えずこちらを見ました。「12の棺」が目玉展示。縦に立てられたでっかい棺とミイラはかなり見応えがありました。

 

◇ コレクション・五題(西宮市大谷記念美術館)

寺島紫明がメインであとは院展関連の展示 堅実な作品とほどよいボリュームの満足感

Twitterエゴサしてたら「この展覧会名は安直だ!」ってツイートを見かけたんですけど、そ、そうなんですか・・・?素人には分からない・・・

 

◇ 人間の才能 生み出すことと生きること(滋賀県立美術館)

 

www.youtube.com

公式サイトの動画を貼ります。色々考えさせられる展覧会だったなーと後から感想を書きながら思った。以下はHPからの引用です。

アール・ブリュット」とは、専門的な芸術教育を受けていない人が生み出すアートのことで、近年、日本の芸術家を紹介するアール・ブリュット展が海外でも高い評価を得ています。
本展では、時代の流れにとらわれず、つくりたいという真摯な要求に基づき、独自の方法論で生み出された作品を紹介します。 「生み出すこと」と「生きること」が一体となっているような人たちの作品の中には、「アール・ブリュット」と呼ばれるものもありますが、そうではないものもあります。「アール・ブリュット」を相対的に捉えられる展示構成にすることで、「アール・ブリュット」という概念は今後も必要か、そもそもアートとは何か、人間にとって重要な才能である“つくる”とは何か、といった問いを、来館者とともに考える場にしたいと思います。

滋賀県は戦後からいち早くアール・ブリュット分野に力を入れてて、滋賀県美は国内で珍しくアール・ブリュット作品の収集を館のコレクション方針に含んでいる、というのを最近知った。とても良い取り組みだと思うし、私は賛同するのですが、同時に「誰かに評価されることを望まないで生まれた作品」を公の施設(美術館)で展示するということはすなわち何らかの「評価」を下されるのでは?それって本当によいことなの?という疑問も浮かんだ。例えば、完成度が高くて非常に価値のある作品だ!とか別に大したことなくない?とか、これ好きとかこれ嫌いとかって、鑑賞者から真面目にあるいはラフに「評価」されるわけじゃないですか。この企画展は文化庁の芸術創造拠点形成事業とやらの一環らしいので、公金を使った展示ならどうしても「評価される立場」に置かれますよね? それって作家本人の意思に沿ったものなんだろうか?一体どうやって・どんなプロセスを経て「選別」しているんだろうか?そもそも展示に至るまでに社会から「評価」を受けてしまっているじゃん?とか。いわゆる健常者でない人々の作品を選ぶ立場にあるのは健常者で、それは結局「選別」であり「評価」であり、分からないし難しいなと感じた。難しいって安易な言葉で逃げるのが一番だめなんだろうけど難しい。そしてこれらの作品を美術館のガラスケース越しに見るのが本当に正しい鑑賞なのかな、とかも思った。滋賀県美に収蔵されているアール・ブリュット作品の多くは本人のご家族等からの寄付という説明書きがあったので、然るべき展示室に綺麗に並べられて1人でも多くの人の目に触れられて、末永く保存されていって欲しい、というご家族の想いも、想像できる気がする。公の助成がないと世の中に出ることはどうしてもハンデがあって難しいだろうし。難しいなと思ったけど、難しいと思ってしまうのは単純に勉強が足らない。解説とか専門書がたくさん出てるんだろうけどまだ読めてない。

「アール・ブリュット」概念を相対化し、「作る」こと自体に目を向ける。滋賀県立美術館「人間の才能 生みだすことと生きること」レポート|Tokyo Art Beat

↑よくまとめられたレポートを拝見したので引用させて貰います。

本展を通して印象的なのは、「これはアートなのか、それともアール・ブリュットなのか」という線引きを行うことでこぼれ落ちてしまう存在があること、しかし「アール・ブリュット」という言葉を使わなければひとまずは共有しづらい領域があることを認めたうえで、美術館やキュレーターがこの「アール・ブリュット」という概念をどのように扱えばいいのかという、答えの出ない問題への戸惑いや葛藤を鑑賞者にオープンにしていることだ。そしてプロのアーティストの作品や、プロではないが「アール・ブリュット」にも収まりきらない作品を合わせて展示することで、「アール・ブリュット」への新たな回路を開こうとする。タイトルに「アール・ブリュット」という言葉が使われていないのは、「アール・ブリュット」に関する展覧会という座りの良い、しかし閉じた印象を回避するためでもあるだろう。

そして、いずれはこの言葉がなくとも、「つくる」という営みや、そこから生まれた作品の価値が、広く共有できる未来を模索する姿勢が強く感じられた。キュレーションした保坂は2015年のインタビューで、「個人的にはそのうちアール・ブリュットという概念自体がなくなるべきだと思っています」とも述べている(本展図録P138)。

答えのでない問題への戸惑いや葛藤が本展の”ねらい”なら、おおむね目論見通りじゃないかななどと思った。帰りに藤岡祐機さんの作品のポストカードを買いました。

 

◇ 鳥海修「もじのうみ:水のような、空気のような活字」(京都dddギャラリー)

初めて行ったdddギャラリー。無料で写真撮影可でした。フォント作りって大変なお仕事だなあ。

 

◇ 安野光雅 追悼展「安野先生のふしぎな学校」安野光雅美術館コレクション(美術館「えき」KYOTO)

画家の安野光雅さんの展覧会。夜に行ったけど会場内が混んでて人気なんだなーと思った。世界観がしっかりしているし、『天動説の絵本』とかよかった。でも最後の最後に井上ひさしとの交流が紹介されてて、えっあの井上ひさしと仲良しなの・・・とちょっとがっかり?してしまった。人物と作品は切り離して考えるべき・・・かな、やっぱり・・・。

 

◇ おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)(京都市立芸術大学@KCUA)

HPで見かけて、おもしろそうだな~と最終日の数日前に寄ったら「終わりかけ(?)」の展示で、一体なにがなにやら・・・って感じだった。

来るタイミングが悪すぎた!!

客は私ひとりだったので写真は自由に撮れました(撮影可)。尖った企画なのはウェブサイトからも伝わるので、どうぞ・・・

gallery.kcua.ac.jp

 

◇ 北原照久コレクション展 -おもちゃ!広告!驚きと感動と心温まる物語-(芦屋市立美術博物館)

招待券を頂いた 写真撮影可でふとっぱら

 

◇ ヨシダナギ写真展「DRAG QUEEN No Light, No Queen」(阪急うめだギャラリー)

撮影可でした キャプションがなかなか読ませる文だった

 

◇ とんぼ玉100人展 炎から生まれる小さないのち(大阪府弥生文化博物館)

ちょっと毛色が違うけど招待券で見に行ったやつ。日本で唯一の弥生文化専門博物館・「シュールでクールな弥生をお届け!」らしいです。特に常設展示がユニークと聞いてたけど、本当に面白かった!弥生文化とか中学生レベルの知識しかないけど、おもろ~だった・・・稲作が始まったあたりの展示と解説とか超分かりやすかった。とんぼ玉展は一般の方も出展してる感じだったのかな~もれなく綺麗でした。

女王卑弥呼の模型(想像)

 

◇ サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇(京都国立近代美術館

日本美術史さっぱりだけど「国際的な視野に立って京・大坂の美術を通覧する初めての大規模な展観となります」とのことで気になって行った。大坂画壇という認知が一般にもっと広がるとよいね・・・と思った。重要美術品が多いからか会期中の展示替えが多々あった。そしてやっぱり私は上村松園の絵が好き。

常設展で河井寛次郎の特集をやっていた。

 

◇ 平間至 写真展「すべては、音楽のおかげ」(美術館「えき」KYOTO)

タワレコの写真、上手だなーと思った(これは会場外のポスターですが)。東日本大震災の後に撮られたという一連の写真が印象深かった。

 

◇ 安野モヨコ展「アンノーマル」(阪急うめだギャラリー)

作品読んだことないのですがたまたまやってたので 写真撮影可でした

かわいい

 

◇ 企画展「来迎 たいせつな人との別れのために」(中之島香雪美術館)

コレめっっちゃ素晴らしかったです。「涅槃図」大好き。見とれる。図録が完売していた・・・。

ここの美術館雰囲気よくておすすめです。中之島界隈はお散歩によい。

 

◇ ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術(兵庫県立美術館

美術史の全体の流れが頭に入ってないから作品群のコンセプトがちょっと難解だった・・・が、思いがけず(?)リヒターと河原温の作品を見れた!!いいことありました。

 

◇ 生誕150年 山元春挙滋賀県立美術館)

春挙先生、流石すぎる・・・巨匠の風格でした。見応えありまくり。後期展示も見に行くつもりだったのに都合あわなかったのでまたやって欲しい。

 

◇ 開館25周年記念「華麗なる宝塚歌劇衣装の世界」(神戸ファッション美術館

きらびやかなステージ衣装で楽しかった!いつかヅカ観劇デビューしたい・・・。

 

◇ 没後50年 鏑木清方展(京都国立近代美術館

話題の<築地明石町>目当てに行ったら開館前なのに結構並んでておぉ~ってなった。実物めっちゃ綺麗だった!<浜町河岸><新富町>もよいけど明石町は特によいですね。あんまり美術で性差を意識したくないけど、「男性が描く」上質な美人画って感じ。私は松園派ですが築地明石町は美しいな~と思う。

常設展にあった作品。めっちゃよくない?

 

◇ 開館20周年「関西の80年代」(兵庫県立美術館

無料観覧日があったので・・・。展覧会のコンセプトとか、あとインスタレーション作品が好きなのでおもしろかった。森村泰昌もあったけどあの自分大好き作風が苦手なので(すみません)あー・・・ってなった。

 

 

◇ 特別展 スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち(神戸市立博物館)

油絵をたくさん見ると異様に満足度が高いのはなんでだろう。美術鑑賞した!って気分になる・・・超満足でした。

なんか土曜日の夜間だけ写真撮影可だった。なんで日時限定でOKなんだろ・・・。混んでると言っても東京ほどじゃないし、めっちゃありがたいけど。

初来日の卵料理老婆。ベラスケス、シンプルに絵が上手すぎる(みんな知っている)。

 

フランシス・グラント ≪アン・エミリー・ソフィア・グラント (“デイジー”・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人≫ 展示の中ではこれが一番好きかも。とにかく美しい!

グラント、馬の尻描くの上手すぎる。

 

◇ 2022 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展(西宮市大谷記念美術館)

10年近く見続けている原画展 今年も開催されてよかった

今年の入選作品の作風はモノクロもカラフルもまんべんなくだったような気がします 世界の世相が如実に反映されるのかな・・・と思いながら見ているけど、結局「平和」なんてどの時代にもあった試しがないよね。人間はくだらない生き物だし地球に負担しかかけてないからさっさと一斉に滅びるべき存在と思いますが、それはおいといて絵本原画展はいい展覧会です。

 

◇ 國富奎三コレクション 近代フランス絵画モネからマティスまで(姫路市立美術館

たまたま行ったらマティス展示してて、やったー!ってなりました。何かの割引で150円ぐらいで見た。引かなくていいのに・・・申し訳ない・・・。

作品は少ないけど間近で見られるのはとてもよい。

 

◇ ベルナール・フォコン、コレクション展(島根県立美術館

出張の途中に寄ったので島根県美といえば宍道湖の夕焼けなのに・・・と後ろ髪引かれつつ30分程しか滞在できなかった。この時の企画展はチームラボで、夏休みシーズンは需要あるんだろうなと思った。

 

ベルナール・フォコン、自然の中でマネキン人形を使い、夢想と少年時代の記憶が入り交じった魅力的な世界を作り上げています、というキャプションを頼りに見た。

 

布志名焼はじめて見ました。綺麗!

建物は広々しててよかったし、何より全国の美術館のフライヤーが置いてあって狂喜乱舞した。

 

◇ 貞享本當麻曼荼羅修理完成記念 特別展「中将姫と當麻曼荼羅―祈りが紡ぐ物語―」(奈良国立博物館

ネットで評判が良かったから見に行った。すばらしい曼荼羅!見応え十分でした。

同時開催の仏さま展示も子供向けに工夫されてて大人も分かりやすくてとてもよかった。博物館側の努力を感じました・・・。

夏のバンビたち

 

◇ 白洲次郎生誕120周年記念特別展「白洲次郎白洲正子武相荘折々のくらし」(神戸ゆかりの美術館)

ハイソな超上流家系ここに極まれりって感じでした。なんて素敵な暮らし。

白洲次郎所持のベントレーの展示期間が終わってて写真になっていた・・・。そんな・・・。

 

◇ テオ・ヤンセン展(大阪南港ATCギャラリー)

オランダのキネティックアーティストの作品展。

【風を動力源としてオランダの砂浜を疾駆する「ストランド(砂浜)ビースト(生命体)」。ボディ全体は黄色いプラスチックチューブで造形され、物理工学を基盤としたその動きは生き物を思わせるほどに滑らかで有機的です。それらはオランダのアーティスト、テオ・ヤンセン(1948–)によって故国の海面上昇問題を解決するために生み出されました。作者亡き後も自立して砂浜で生き延びることを目指し、ストランドビーストは歩行、方向転換、危険察知などの機能を備え、さまざまな環境に適応していくためのシステムを獲得していきます。生と死を繰り返し、遺伝子と遺伝情報を受け継ぎながら進化し続けてきた生命体は、芸術と科学という既存のカテゴリーを横断し、新たな可能性を私たちに提示しています。】(熊本市現代美術館から引用)

うねうね動く機械?生命体? よく考えつくなあ。全国を巡回してるらしいけど運搬大変そうだなとか思った

 

◇ 新選組展2022ー史料から辿る足跡ー(京都文化博物館

去年から楽しみにしてたやつ!前期と後期それぞれ見ました。すごく興味深かったです。講演会の内容は絶対全員聞いてもらった方がいいと思う。

 

◇ Homō loquēns「しゃべるヒト」ことばの不思議を科学する(国立民族学博物館

「身近にありすぎてほとんど振り返ることのない「コトバ」をテーマに、言語学のみならず、 文化人類学、工学系、教育系、脳科学認知心理学等の60名を超える国内外の研究者が協力して、その不思議をお見せします! 」って趣旨が面白そうだったので見た。

難しい題材でアプローチの仕方も難しいな~と思った。すごく頑張ってる、ユニークな展示だった。

 

手話話者と音声言語話者では発話の際に使う脳の場所が違うらしい。言われてみれば「話す」と言っても異なる動作になるのか・・・みたいな。考えたこともなかった。

シジュウカラ 賢い

お隣の民博も初めて行った。めっちゃ濃かった。あれは1日では見きれない・・・。

 

◇ 伊丹市新庁舎開庁記念 建築と彫刻の交差展隈研吾×三沢厚彦×棚田康司(市立伊丹ミュージアム

 

伊丹市の新庁舎を隈研吾が手がけた(うらやましい・・・)らしくて、それの設計図とか模型とかの展示をやってた。

ワンフロアだけの控えめな規模でちょっとがっかりだったけど建物はかっこよかった。

 

三沢厚彦の作品 めっちゃいい!

 

◇ 石と植物(滋賀県立美術館)

「石と植物」という身近なモチーフを題材にした作品を集めた展覧会。面白かったです。

受付で貰える配布資料が冊子で、ほぼ全作品のキャプションが収録されてて豪華さにびっくりした。お金かかってる!滋賀県美がんばってると思うのでもっと賑わって欲しい。

 

◇ 開館40周年記念特別展「よみがえる川崎美術館ー川崎正蔵が守り伝えた美への招待ー」(神戸市立博物館)

川崎重工をつくった人の日本初の私立美術館を現代に再現した!すごいぞ!って評判だったので行かねば・・・と謎の使命感で行きました。確かにちりぢりになってるかつての収蔵品をかき集めたのはすごい。ていうか国宝2件、重文5件、重美品4件って正蔵、なかなかでは。【川崎正蔵が命に次いで大切にした「寒山拾得図」】これ目玉だったのに会期外で見れなかった・・・独特のパワーに溢れてますよねアレ。梶佐太郎の七宝花瓶がめっちゃ綺麗だった。夜間でも超混んでました。

 

◇ ボテロ展ふくよかな魔法(京都市立美術館)

山田五郎Youtubeでボテロ取り上げてたのは来日してるから?だったのかな。ボテロは大阪の御堂筋のあの彫刻しか見たことなかった。写真撮影可でふとっぱら。どれもカラフルでエネルギッシュ。

名画パロシリーズよいですね。

<象>、よかった

 

◇ 柚木沙弥郎 life・LIFE展(美術館「えき」KYOTO)

100歳の現役染織家 現役!すごすぎる。撮影可でした。

 

絵本かわいい

 

作品の持つ雰囲気がめっちゃ良いですね・・・主張し過ぎず押しつけがましくなくて大人しすぎなくて、ちゃんと馴染む感じ。素晴らしい。

来年駒場日本民藝館で展覧会あるみたい。行きたいなー!

 

◇ こわくて、たのしいスイスの絵本(大山崎山荘美術館

スイスゆかりの作家3名、クライドルフ、フィッシャー、ホフマンの展覧会 クリスマスイブに行ったら広くない建物内が激混みだった。なんで・・・。

フィッシャーの絵が好きで数年前に伊丹市立美のフィッシャー展見たんですよ。こねこのぴっち激かわでした。

「お菓子の家」をイメージしたケーキを食べた。

 

撮り鉄界隈で有名な「サントリーカーブ」付近です

 

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2023年は滑り込みでリヒター展に行きたい。あとディオール展。

 

2021年に見た展覧会メモ

行動範囲は関西圏です

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◇ 分離派建築会100年展(京都国立近代美術館

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東京会場からの巡回。建築はYoutubeで技術解説動画を見る程度に好きで、まあ軽いノリで行きました。

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(撮影可能エリア)

入館したら《我々は起つ》に囲まれたので「こわ・・・」と思わず引き返しそうになりました。大丈夫でした、とても興味深い展示でした。我々は起つ・・・の意味を知ると、時代背景を感じ取れました。力強い宣言です。令和の時代にもこの力強さと気骨がほしい。

どの作品も先進的で尖っていて、明治大正のインテリ層の、あの意気揚々としつつも影のあるこじらせ感の強い、独特の気風が反映された『建築』、というジャンルなのでしょうか。特に石本喜久治の「納骨堂」がよかったです。あと山田守による設計の「御茶ノ水の聖橋」の写真が良くて見入った(検索してみてほしい)。

 

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(撮影可能エリア)

映えるやつもあった。

 

あと、4階のコレクションギャラリーに三島喜美代さんが出展されていてラッキーでした。

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(撮影可能エリア)

マジで近くで見ても陶器って分かんなかった。ほんとすごい。三島さん今をときめく森美でも展示されてましたね。人気の高さに納得。

 

余談ですが会場の京都近美はピカ一で推しです!企画展は毎回ボリュームがすごいし、とにかく収蔵品のレベルが高い。会場内の雰囲気やスタッフさんとかが良い意味でややラフな感じも個人的に合います。

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会場にお越しの際は1階のカフェでカルボナーラを試してください

 

 

◇ コシノヒロコ展 EX・VISION TO THE FUTURE(兵庫県立美術館

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最終日に行ったら日時予約制なのにすっっごい混雑してた。日時予約制とは・・・。

服を見るの大好きなのでメチャ楽しかった。生地、パターン、装飾、マネキンの指先にまで、すべてにパワーが漲っている・・・。ヒロコの服、見ていて、すごく前向きな気持ちになる。着れませんけども。ファッションの力ってこういうことを言うんだろうな。展示品全て撮影OKの大盤振る舞いでした。

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巨大ヒロコちゃんマネキンのインパク

 

◇ 特別展「京都文化プロジェクト 誓願寺門前図屏風 修理完了記念 花ひらく町衆文化-近世京都のすがた」(京都文化博物館

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招待券で見た。真面目で硬派な展示。《洛中洛外図屏風》と同じ人が描いた《誓願寺門前図屏風》を初めて見ました。江戸時代は面白くて好きだし、”地図”という人類の発明が大好きなので当時の詳細な古地図なんかも見れて収穫があった。京都の寺社の多さは天皇や貴族の存在がバリバリ影響してるんだな・・・当たり前ですが・・・。

で、同時開催の戦時中の京都画壇を紹介する企画展の雰囲気が重かった。戦争色の濃さにのまれる感じ・・・でもこういった企画は本当に大事ですね。今流行り(?)の小早川秋聲の絵も数点見れた。他に常設エリアでは丸紅商社の着物コレクションをやっていた。大手町の丸紅ギャラリー、行ってみたい。

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ここの建物は我らが辰野金吾の設計だし有形登録文化財だし散策するだけでも楽しい。数年前のクリスマスに、こちらのホールで平井真美子さんのピアノコンサートを聴いたんですけど、それがもうあまりにも素晴らしい演奏で、感動してちょっと泣いちゃった・・・という思い出があります。

 

◇ ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし(泉屋博古館

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招待券で見た。初めて行った美術館 感染症のせいで1年延期の末の開催だそうです。ワンフロアの会場ながら展示に工夫があって、コンパクトにまとまっていて見やすかった。広くない会場ながらもかなり盛況で、人混みを避けつつ鑑賞するのに苦労しました。展示品にあの鏑木清方がデザインした浴衣があった。あと、型染の技術がすごかった! 繊細にもほどがある

 

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(画像はお借りしました)

展示品のひとつの、海の生き物柄の浴衣がユニークだった。インパクトやば。いいですね。

 

 

◇ フランソワ・ポンポン展 動物を愛した彫刻家(京都市京セラ美術館)

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(撮影可能エリア)

京セラ美、行くタイミングがなかったから行きたかったんだよね~~って意気込んで行ったんですけど、会場の使い方(大型企画4つ同時開催)がぶっちゃけ馴染めなくて入り込めなかった。すみません・・・。なんかこう、めっちゃ限られたスペースで、展示数とか空間の使い方?みたいなもののボリュームがあんまりで、う~ん・・・っていう。ネット上では好意的な感想ばかり見かけるのにおかしいな・・・ ひねくれてるから、京セラはん儲かってまんな~とか思っちゃった。ほんまごめん。

ポンポン展は2022年も引き続き巡回してるのですね。ポンポン氏の作品は高い完成度+親しみやすい動物モチーフで日本でも抜群に受けそうな印象です。どれもこれもが優しくてかわいかった。何度、触りたい~~~と思ったか・・・

 

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(撮影可能エリア)

やさしい かわいい

 

で、有名な巨大シロクマの彫刻はオルセー美術館で見てね、って現物の引き延ばした写真を代わりに展示してたのがすごいシュールだった。オルセー行きてえ。

群馬の美術館の収蔵品が多かったけど何か作者とゆかりがあるのでしょうか。

 

 

◇ 美術館に行こう!ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方(明石市立文化博物館)

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ディック・ブルーナの作品は至高、ミッフィーは永遠

ただ今回の展示は「親子で楽しむ」というコンセプトの割には子ども向けを意識しているのか大人向けにフォーカスしているのか、展示品や解説がやや中途半端になっている印象を受けました・・・。

ここは常設展が頑張っていて郷土資料がじっくり見られます。みんな大好きアカシゾウの標本(撮影可能エリア)。

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◇ 伊能忠敬 伊能図上呈200年記念特別展(神戸市立博物館)

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2021年マイベスト展覧会はコレです!!!!! 生で見る伊能図、マジでやばかった。地図好きにはたまらない、鑑賞中に鼻血出るかと思った。コレ教科書に載ってるやつじゃん!?、と感無量でした。日本地図の完成度マジ半端ないんですよ、すごすぎ。当時の測量技術どうなってんの?バグってない?ていうか一日で移動する速度めっちゃ早いしどうなってんの?バイク使った??みたいな・・・。昔の人々の足腰一体どうなってるんですかね。

忠敬愛用の測量グッズも展示してあって、保存状態完璧で、感謝しかない。残してくれた関係各位マジでありがとうございます。感謝。

作品数も内容も解説も圧巻で最高でした。都合つかなくて前期の展示が見れなかったのが心残りです。また見たいなINOH TADATAKAの偉業。

 

 

◇ ウィリアムモリス 原風景でたどるデザインの軌跡(奈良県立美術館)

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解説不要のモリス。何度見てもよい。苺泥棒は世界を救う。

こちらの会場の建物なのですが・・・ かなり年期入っておられて、今回のデザイン性の高い作品群とややミスマッチな感じが個人的に否めなくって、双方にとってこれは惜しいな・・・という印象を受けました。以前、モリス展を大山崎山荘美術館で見たときは作品とレトロな建物の質感が超マッチしていて、めちゃくちゃ良かったんだけど。会場も作品を構成するパーツのひとつなんだなあと感じた次第です。建物をdisってるわけじゃないですすみません。

『原風景でたどる』というタイトルの通りモリスゆかりのイギリスの地方の農村と、そこからインスピレーションを得た作品を展示というのは分かりやすく見応えがありました。モリスはよきです。

 

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現代アート 《 鹿 》

 

 

◇ Viva Video! 久保田成子展(国立国際美術館

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招待券で見た。恥ずかしながら作家を存じ上げなかったんですが、エネルギッシュ!アヴァンギャルド!!みたいな圧がすごかった。芸術家の鑑みたいな印象。オノ・ヨーコ氏との交流が紹介されていて納得しかなかった。ただ晩年の、旦那さんの介護etc のエピソードを読んで作品とは別の側面を垣間見た気になった。《スケート選手》という作品がよかった。

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(画像はお借りしました)

最近、国立国際美のサイト見たらキュレーターの方がこの企画とカタログ中の論文が評価されて美術奨励賞を受賞されたってニュースが載っていて、図録見とけば良かったなーってちょっと思いました・・・。

 

◇ 「CLT 未来をつくる木のイノベーション」(竹中大工道具館

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新神戸駅周辺のさびれ具合はいつ来ても心配になりますが数年後に再開発するようなので期待しています(いきなり都市計画)。しかしなぜ新神戸・・・?立地が謎。

 

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「CLT」という最先端の木造技術に関連した展覧会をやっていて、工夫を凝らしたシャレた椅子作品が展示されていました。木、とてもよい。

 

ここは常設展がメチャメチャ濃い!知らない道具や技術だらけで勉強になります。館内写真撮影可だし天井は高いし。

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斧の動詞は”斫る”(初めて見た日本語)

 

これ凄くないですか?

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先に瓶に穴を開けて矢を通してから瓶の中を液体で満たすそうです。凄いね。

 

ケルトン茶室模型とかもある

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他にも大量の古今東西の大工道具があって、全部をじっくり見て回ろうと思ったらかなり時間かかった。ユニークな博物館で楽しめます。

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この人たち封神演義で見たことある

 

 

◇ ボローニャ国際絵本原画展(西宮市立大谷記念美術館)

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毎年欠かさず見に行っている絵本原画展、2020年は感染症のせいで関西での開催が中止になってとても悲しかった・・・。いつかボローニャまで原画展を見に行くぞと思って学生時代は第二外国語でイタリア語を選択しましたが結局チャオ!しか喋れません。とにかく今年は展示を見ることが出来てよかったです。

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数年ごとに審査員が変わることもあって、毎年入選作品のカラーが違うので見るのが楽しい。世界で内戦が多かった年は戦争をテーマにしたモノクロの作風が多かったり・・・。今年は明るい色使いの絵本が多めの印象でしたが、やはりコロナが多かれ少なかれ影響しているのでしょうか。

 

 

◇ 明石藩の世界Ⅸ-幕末維新と人々のくらし- (明石市立文化博物館)

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事前に貰ったチラシに「新撰組日誌」と書かれた資料が大きく載っていたので、無知な私は期待して行ったんですよ、そしたら幕末期に明石藩が独自に編成した新撰組という名の組織のことでした。会津藩御預の方じゃなかった。明石藩そんなのやってたんだ・・・っていう。斎藤一、何の関係もなかった。無知が招いたがっかり、勝手にがっかりして本当にすみません。展示内容はローカルな"幕末"に特化していて、藩内の動きや取り組みなど知らないことだらけで勉強になりました。”明石藩の”新撰組・・・覚えました。

 

◇ 金魚絵師 深堀隆介 金魚鉢、地球鉢(神戸ファッション美術館

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人気の金魚絵師さん。アレが”絵”ってすごいですよね。鑑賞中は「えっ、すご・・・」としか言ってなかった。有名な酒枡の作品から大型の作品まで多様なバリエーションで見応えがありました。

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(撮影可能エリア)

 

 

◇ 和巧絶佳展 令和時代の超工芸(アサヒビール大山崎山荘美術館

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 (写真撮るの下手すぎ問題)

1970年以降生まれの12名の作家の作品展。東京からの巡回。

これ、まじですっっごく良かったです!! どれもこれもが超一級品でレベル高くて何時間でも鑑賞できる感じでした。ちょうどこの1週間前に見た金魚絵師さんの作品をこちらでも見ることができました。

展示は靴、螺鈿、陶、金工、鋳造と、工芸のジャンルにとらわれない非常に幅広い内容で、いや~~~~とても良かった。入場料、本当にこの価格でいいのか? もっと上げても全然いいと思う・・・。

個人的に、池田晃将さん、新里明士さん、佐合道子さんの作品に特にびびっときて見入りました。メディアにも多数取り上げられているのでまだ見たことない方は是非ググってみてください。全国巡回中みたいなので該当地域の方は現地に見に行ってほしい。

 

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ショップで山本茜さんのブックマーカーをゲットしました。すてき

 

 

余談で、併設の喫茶室では展示企画に合わせたリーガロイヤルホテル京都のデザートが出されていて、この時は"和"のスイーツだった。

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テラスからの眺めもよきです 乙訓郡の自然ゆたかな風景

 

 

 

それで、すごくよかったこの展覧会に対して決してケチつけるわけじゃないのですがどうしても言いたいので書きます。この京都会場のポスターのビジュアル?デザイン?、すみません、ちょっと、いまいち、イケてないような…

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(画像はお借りしました)

何となく物足りなさを感じてしまいます・・・。館鼻さんのレディー・ガガ用シューズに対して言ってるのではなく(ヒールレスシューズ、もの凄い高クオリティでした)、実際の作品群があれだけ素晴らしいのに、ポスターを一瞥しただけではそのすごさが、あまり伝わらないような… 伝わらないって、それは広報としてちょっとよろしくないのでは…?みたいな…。素晴らしい展示だっただけに勿体ないなと個人的に感じてしまいました(余計なお世話すぎる)

 

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大山崎山荘美術館、いつ来ても最高のロケーション。常設でモネの《睡蓮》も見られます。

 

 

◇ 喜多俊之展 TIMELESS FUTURE(西宮市大谷記念美術館)

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長年プロダクトデザインの第一線で活躍されてる方なんですね。どれも無駄のない洗練されたかっこよく優れたデザイン。人が多くて撮れなかったけど椅子に座りたい放題の展示がおもしろかった。会議室向けのパイプ椅子とか、丸太1本使った椅子とか、ヘアーサロン用の椅子とか。

 

撮影可能エリアで撮ったもの

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公共の椅子がどこもこんなのならテンション上がるのにな

 

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介護用ロボット 親しみやすい可愛らしいデザインはさすが

 

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"プロの仕事"を見ました。

 

 

◇ 幻の天才画家 鈴木華邨展 甦る花鳥風月の世界(逸翁美術館

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後期の展示を見た。30年ぶりの一挙公開とか聞いたら行くしかないやつ 当時は国内だけでなく海外でも評価されていたのに、今では忘れ去られた存在の画家・・・って解説文に諸行無常を感じた。繊細なタッチと色づかいだけど、鳥の描き方?デッサン?が割と独特だな~と思った。鶴を真正面から描いた絵、見たことない構図でかなり面白かったな。岡倉天心がべた褒めしたという牡丹と猫の絵が綺麗で、お土産にポストカードでも買おうと思ったらその絵だけ売り切れてて残念だった。

また蛇足ですが、この展覧会のポスター、薄緑?浅葱色?を基調としていて華やかな仕上がりだけど、ご本人の画風はパステルと程遠い白・茶・墨の色が多かったので、ポスターも堅実なものの方がより合ってたんじゃないかなあなどと鑑賞後に大変余計なことを思ったりしました。

すぐ近くにある小林一三記念館も初めて行きましたおもしろかった。阪急電車ファンがよろこぶ感じの内装だった。帰りに付近の電柱見てたら町名が書いてるプレートのやつ(呼称が分かりません・・・)があの近辺だけ阪急のマルーンカラーだった。池田市、小林一族の恩恵どれだけ受けてるんですかね

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◇ 国立工芸館石川移転開館1周年記念展《十二の鷹》と明治の工芸(国立工芸館)

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去年皇居のほとりから金沢市に移転した工芸館 引っ越し作業時の映像が流れてて、とにかくめちゃめちゃ大変そうだった

館内は全作品撮影可能で、特にいいなあと思った作品

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明治時代に輸出品として作られた飾り壺 芸術!って感じでめっちゃ好き。でもゴテゴテしてるなんてネガティブ評価もあると知って驚きです。こんなに美しいのに!? 欧米のジャポニズムブームの先駆けですよ。当時の最先端の意匠が凝らされていて素晴らしい完成度だと思います。多くのものは今でも海外にあるんでしょうかね。

 

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ガレとかバーナード・リーチとか魯山人の作品もあった

 

企画の目玉は鈴木長吉の《十二の鷹》で、その展示の方法がちょっと独特で、むき出しで十二体並べてあっておもしろかった。

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これらの鷹は日本の「美術」を世界に見せたるぞ、と1893年のシカゴ万博に出展されたそうです。非常にワンダホーな作品でした。

余談だけど、ショップコーナーにいたらなんか関係者らしき方がスタッフに「2階の鷹の展示どうなってるの?」って訊かれていて「全部ケースに入らなかったんですよ」って(ケースに入らないとかあるんだ・・・)。「あんな展示だとちゃんと見れなくない?びっくりしたわ」みたいな苦言を呈してらしたのを、間近で聞かされてしまった。すまんそういうの一般客のいないところで話してくれ・・・と思った。とても興味深く見れていたので何だか思わぬ所で水を差されてしまったような。

京都の『和巧絶佳』で見た池田さんの作品が展示されてました。思わぬ展示だったから嬉しい 撮影可だったので拡大鏡越しに撮らせて貰いました。

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大人気の螺鈿細工作品 めっちゃ素敵

 

◇ 写真家ドアノー/音楽/パリ(美術館「えき」KYOTO)

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クリスマス前だったから(?)入口にツリーがあった。

フランスの国民的写真家 あまり存知ないのですが・・・ 活き活きとした場面の切り取りという感じがとても上手だった。シャンソンやジャズが流れるパリの街並み・・・という映画や舞台でしか知り得ないような華やかな風景が市民の現実の日常として(当たり前だけど)あったんだなぁと興味深かった。《パリ市庁舎前のキス》が近年裁判沙汰になっていたのは後から知ったけど展示されてなかった気がする。見たかった。

面白いなと思ったのが《エリック・サティの家》という写真 「エリック・サティは物静かで人目を大変気にする人で、自宅を知られたくなく、タクシーで帰宅しても2,3km離れた所で降りて歩いて帰っていた」みたいなキャプションで、いやそんな徹底して人目を気にしてる有名人の家の写真撮ってそれを作品にしていいんだ!? ってちょっと面白かった。それだけ親交が深かったということなのかな。《エリック・サティの家》のポストカード買いました。

 

◇ 限らない世界 村上三郎(芦屋市立美術博物館)

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招待券で見た。京阪神は具体美術の展示が多い。

《紙破り》のパフォーマンスの記録映像が面白かった。ただ奇抜なだけじゃなくてしっかりとした”作品”になっていたのは見事だなと思った。紙破り、してみたい。あと駆け出しの頃に白髪一雄と二人展やってて、へえ~ってなった。阪神間で児童の美術教育にも大変貢献されていて好感度だだ上がりしました。芦屋市立美術博物館の公式Twitterで作品の丁寧な解説や動画を上げておられます。

特に面白いと思ったのは、来場者に名前を書かせる→作者がその場で速攻で名前に線を引いて消していく、という展覧会の記録。「アイデンティティーとは何か?を考えさせる展覧会を行った」みたいなキャプションだった。え~・・・何なんだろう、アイデンティティーって・・・。これは作者が哲学専攻っていう経歴も活かされてる(?)のでしょう・・・。展覧会タイトルの『限らない世界』は「限りない世界 → 限らない世界」という作者のメモから取られていた。

外の展示品は撮影可&体験可だったので入りました。

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中はこんな感じ。

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鑑賞者がこの作品を完成させる・・・みたいな解説が書かれてあった気がする(うろ覚え)。穴から風景を見て写真撮ってのそのそ這い出るタイミングで犬の散歩中の人と目が合って(建物のすぐそばが歩道)、「いや私は作品を完成させていたんです」的なオーラを出してみたんだけど通りがかりの人が見たら謎の不法行為してるみたいだよな。美術館に行くと自意識の波に溺れて虎になりそう。パピヨン本田の美術のトラちゃんじゃん。

 

◆ 2021年見たかった展覧会

「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」

「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」

特にロニ・ホーン めちゃめちゃ評判良いから気になる 関西にも巡回して欲しい